ぎっくり腰について
ぎっくり腰とは
ちょっとしたことで「ギクッ」となり、突如襲いかかる腰痛。 いわゆる「ぎっくり腰」ですが、地域によっては「びっくり腰」と言われていたり、海外では「魔女の一撃」などとも呼ばれています。 |
ギックリ腰は俗称で、医学的には「急性腰痛」と表現する場合が多いです。 |
ギックリ腰の症状が出やすい疾患
急に発生した腰の痛み(急性腰痛)は色々な疾患から発生します。 ・腰部の筋肉の挫傷(肉離れ、筋違いなどのような筋・筋膜性の腰痛) などなど・・・ |
痛みの変化
原因の大半は「筋・筋膜性」や「腰椎捻挫」。 筋筋膜性や腰椎捻挫が原因の場合、損傷の程度や、発生後の対処法などにもよりますが、次のような経過をたどる事が多いようです。 初期の急性期は、とても強い疼痛を伴うことが多く、しばらく立ち上がれなかったり、歩行が困難になったり、日常生活にもかなりの支障をきたす事もあります。 しかし、強い痛みも数日で緩和していき、数週間~1ヶ月程度で軽快することがほとんどです。 |
こんな時には要注意
もし、なかなか痛みに改善がみらず長引く場合や、悪化をしていく場合。足に痺れを伴ったり、頻回にギックリ腰を繰り返す場合などは要注意! |
椎間板ヘルニアや腰椎分離症、すべり症、圧迫骨折などの整形外科的疾患や、尿路結石、子宮内膜症、自律神経の乱れなどでも腰痛を伴う場合があります。 不安に思った時や疑わしい時には、病院での検査も考えなくてはいけません。 |
ぎっくり腰の原因
様々な要因で “ぎっくり腰 ”は発生してしまうのですが・・・ 「動作による負担」と「姿勢による負担」が引き金となることが多いです。下記に例をあげます。 |
動作などでの負担
・重い荷物を持ち上げる作業 ・遠くの物を手を伸ばして取ろうとする動作 ・椅子や床から立ち上がる動作 ・顔を洗ったり、立ったまま靴下をはいたりする前屈動作 ・くしゃみ、咳などの瞬発的な動作 ・お風呂掃除や草むしりで中腰(前かがみ)動作例をあげればきりがありません。 日常生活の中で腰に負担をかけている動作はたくさんあります。 |
姿勢などでの負担
重たいものを持った時だけではありません。 そんなに負担をかけたつもりはなくても、同じ姿勢が長く持続した場合や急に姿勢を変えた時なども、腰に負担が掛かっていたりします。 ・キッチンで立ちっぱなしの姿勢 |
なってしまった時の対処法
発生直後の痛みが強い時には・・・
安静にする
痛みの強い時には安静を保ちましょう。 痛みをこらえながら歯を食いしばって“ストレッチ”をしたり・・・ マッサージ機や無理に揉みほぐしたり、トントン叩いたり・・・ 絶対にやってはいけません。 できるだけ安静を保ち、痛みを感じる動作や姿勢は避けましょう。 就寝時など仰向けで足を延ばす姿勢がつらいのであれば、膝の下に枕などを挟み、膝が曲がった姿勢になるようにしたり、横向き姿勢で膝を曲げて、少し腰を丸めた姿勢になってみましょう。 |
アイシング
程度にもよりますが、受傷後48時間は炎症物質が出やすいと言われています。 患部にアイシングを行うことで炎症を抑えることができます。場合によっては、受傷当日よりも2日目の方が痛みを増すことがあります。 初日に痛みが強くなかったとしても、アイシングを行うことをお勧めします。 |
入浴は避ける
温めることで、患部の炎症を広げてしまい、痛みを強めてしまうかもしれません。 痛みが落ち着いてくるまでは、長時間の入浴は避けておいた方が良いでしょう。 特に患部が熱を持っている場合などはNG!です。 |
発生から数日して、痛みが落ち着いてきたら・・・
過度の安静はNG
必要以上の安静は、回復を遅くします。 痛みが徐々に緩和してきたら、痛みを強く感じる動作や姿勢を避けながら少しづつ日常の動作に戻していきましょう。軽い運動や、軽いストレッチも有効です。 痛みを出さないように気を付けながら、ゆっくりと行っていきましょう。 |
コルセットやサポーターなどをすることで痛みが感じにくくなるようならば、サポーター等を使用しながら少しでも日常動作に近づけていってください。 |
入浴
前述の通り「痛みの強い時」は入浴は避けた方が良いのですが、痛みが落ち着いてきたら、入浴は痛みを和らげるのに役立つ場合が多いです。 温まることで血行を促進したり、筋肉の緊張を緩めたり、浮力により腰の負担を減らしたり、リラックス効果なども期待ができます。 ※入浴をすることで痛みが強くなった場合は、入浴はしばらく中止してください。 |
からだでは何が起こっているのか?
腰椎の関節周辺での炎症、背筋群の緊張や血行不良。 色々な要因でぎっくり腰の症状を出してしまっているのですが、下図に紹介する筋肉の炎症や緊張が関係していることが多いです。 |
大腰筋(だいようきん)・腸骨筋(ちょうこつきん)
靴下を履くときに太ももを持ち上げるときや、歩行中に体のバランス調整などに活躍している筋肉です。 ギックリ腰の時、足があがらなくて靴下が履けないなどの症状が出ているときには、この筋肉がトラブルを起こしてしまった可能性が高いです。 大腰筋と腸骨筋、作用が同じで機能的にはひとつの筋肉として働くので、ふたつの筋肉を合わせて「腸腰筋(ちょうようきん)」と呼んだりもします。 |
脊柱起立筋群(せきちゅう きりつきん ぐん)
棘筋(きょくきん)・最長筋(さいちょうきん)・腸肋筋(ちょうろくきん)という筋肉たちを合わせて脊柱起立筋群と呼びます。 身体を支える筋肉として、非常に重要な役割をしている筋肉です。 |
腰方形筋(ようほうけいきん)
体を横に傾けたり、後ろにそらせたりする筋肉。 骨盤の左右の傾きを調整するためにも働いている筋肉です。 |
中殿筋(ちゅうでんきん)
歩行時などに骨盤の安定感を出すのに重要な筋肉です。 この筋肉が弱くなってしまうと、骨盤の安定感が悪くなり歩行時に上半身のブレが大きくなったりもします。腰周辺の筋肉に余分な負担をかけてしまいます。 |
梨状筋(りじょうきん)
おしりの所にある筋肉で、足を外に回旋する動作の時につかわれる筋肉。 おしりのほっぺとか、おしりのえくぼなんて表現をされる部分にある筋肉です。この梨状筋の下を坐骨神経という太い神経が通過します。 梨状筋が緊張をしてしまうと、坐骨神経を梨状筋が圧迫してしまい足に痺れやツッパリ感などを伴うこともあります。 ギックリ腰の際に下肢にツッパリ感やしびれがある場合は、この梨状筋(梨状筋症候群)が関与していることもあります。 |
今回、例に挙げた筋肉は一例です。その他にも様々な筋肉が直接的、間接的にぎっくり腰に関与しています。 |
ギックリ腰にならないために(予防)
生活習慣の見直しましょう。
日常の動作で痛みを感じなかったとしても、腰に負担をかける動作の多い生活を続けてしまうと腰への負担が累積。いつの日か「ギックリ腰」を引き起こしてしまうかもしれません。 靴下を履く動作も、立ったまま前かがみになって片足立ちになって履くよりもイスやベッドに腰かけて行った方が腰への負担は少ないです。 お風呂掃除や草むしりなども中腰姿勢を長時間続けるよりも、タオルなどを置いた上に膝をついて作業をした方が負担は少なくなるでしょう。 足を同じ方向ばかりで組んだり、同じ方の肩に肩掛けカバンをかけたり・・・ 日常生活で何気なく行っている作業や姿勢を、今一度見直ししてみましょう。 |
適度な運動、ストレッチ
適度な運動は、筋力を増加させ、基礎代謝もあがり、血行も促進します。 ストレッチを行うことで、筋肉や関節の柔軟性が向上します。 ストレッチや運動を日常的に行うことで、負担に耐えられる身体を作りましょう。 運動不足の方が、いきなり走ったり、ゴルフのスイングをしたり・・・ とても危険です。 一気に無理な運動を行えば、逆に負担をかけてしまうかもしれません。 筋力も柔軟性も1日で獲得することはできません。 現在の体の状態に合わせて、運動強度や時間を調節しながら、慌てずに少しづつ、はじめてください。 わずかな時間のウォーキングやストレッチでもけっして無駄ではありません。 まずは、無理をせずに、長く続けていける量から、はじめてみてはいかがでしょうか? |
アイシング
仕事や日常生活の中で、腰に負担が掛かってしまうこともあります。 田舎から大きな段ボールで重たい荷物が届いたり、大掃除をしたり、部屋の模様替えをしたり・・・腰に負担のかかる作業や姿勢をしてしまった後は、痛みや違和感を感じていなくても、念のためアイシングを行うのは予防に有効です。 |
施術例
アイシングマニピュレーション超音波治療器干渉波治療器テーピング固定サポーター固定ホットパック |
- 八王子・みどり堂整骨院
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